ホームページ制作を頼むことになった。打ち合わせの日程も決まった。ここで多くの方が、こう不安になります。
「何を準備すればいいんだろう。何も決まっていないのに、大丈夫だろうか」。
検索して出てくる記事には、準備リストがずらっと並んでいます。目的を明確に、ターゲットを設定し、参考サイトを集め、予算とスケジュールを整理して。読むほど気が重くなったのではないでしょうか。
先に言います。そんなに準備しなくて大丈夫です。 決めるのが打ち合わせなので、決まっていない状態で来るのが普通です。
それより役に立つのは、「当日、何を聞かれるのか」を知っておくことです。私はホームページ制作の打ち合わせをする側なので、この記事で、実際に聞いていることをネタバレします。
打ち合わせで決まるのは「何を作るか」ではなく「何を伝えるか」
まず前提から。打ち合わせというと「デザインの好みや、ページ構成を決める場」と思われがちですが、それは後半の話です。
前半に決めるのは、誰に、何を、どう伝えるサイトにするか。ここが決まれば、デザインも構成も自然に決まっていきます。逆にここを飛ばすと、きれいなだけで問い合わせの来ないサイトになります。
だから、良い打ち合わせは、サイトの話よりも先に「事業の話」から始まります。
制作者が実際に聞くこと(ヒアリングの種明かし)
では、私が打ち合わせで実際に聞いていることです。
- 「これまでで、一番お客様に感謝された仕事は何ですか?」
- 「どんなお客様が多いですか?」
- 「そのお客様は、数ある同業の中で、なぜあなたを選んだんだと思いますか?」
拍子抜けしたかもしれません。サイトの話がひとつもない。でも、これが本題です。
一番目の質問をすると、ほとんどの方の目の色が変わります。お客様に喜ばれた場面は、仕事の誇りに直結しているからでしょう、皆さん生き生きと、驚くほど具体的に話してくれます。記憶に深く残っているんです。
そして、その話の中にこそ、サイトに載せるべき「選ばれる理由」が眠っています。「他社より優れている点は?」と正面から聞いても「丁寧な対応ですかね」という、どの同業でも言える答えしか出てきません。本当の強みは、本人が当たり前だと思っていることの中にあります。 だから、正面からではなく、思い出話から掘るのです。
「うちには強みなんて無いし、聞かれても答えられない」という方も、心配は要りません。すらすら出てこない方には、角度を変えて何度でも聞きます。引き出すのは制作者の仕事です。あなたは思い出話をするだけでいい。
準備は、これだけでいい


そのうえで、しておくと打ち合わせが濃くなる準備が3つだけあります。
- 今のサイト(or 集客)の不満・困りごとを言えるようにしておく。「古い」「問い合わせが来ない」で十分。そこが出発点になります
- 自分の事業を、普段お客様に説明している言葉で話せるようにしておく。業界用語も資料も不要です
- 「いいな」と思うサイトがあれば1〜2個(無ければ無いで構いません)
もう1つだけ、大事な補足を。決められる人が打ち合わせに出てください。 担当の方と話がまとまったのに、持ち帰った先で社長の一声でひっくり返る。これが、制作が遅れて内容がぶれる一番の原因です。個人事業主の方は本人が決裁者なのでこの心配はありません。ご家族やパートナーの意見が大きい場合は、最初から一緒に聞いてもらうのが早道です。
それから、写真や文章の素材について。「用意できない」は珍しくないので大丈夫ですが、その分は制作側の作業になるので、費用に反映されるのが普通です。「素材は無いけど予算は抑えたい」は両立が難しい、ということだけ知っておいてください。
逆に、あなたが業者に聞くべきこと
打ち合わせは、あなたが業者を見極める場でもあります。最低限、この3つは聞いてください。
- 「この金額に何が含まれていて、何をすると追加になりますか?」(ページ追加、文章の代筆、写真の用意など)
- 「公開後、自分で更新できる範囲はどこですか?」
- 「サーバーとドメインは、私の名義になりますか?」(業者名義だと、関係が切れた時にサイトを失うことがあります)
はっきり答えられない業者なら、金額に関わらず考え直した方がいいです。
打ち合わせで「良い業者」を見抜く方法
種明かしついでに、業者の見極め方も書いておきます。打ち合わせで、その業者がどんな質問をしてくるかを見てください。
- デザインの好みやページ数の話ばかり聞いてくる業者は、「言われた通りに作る」業者です。悪ではありませんが、集客の相談相手にはなりません
- あなたの事業やお客様のことを聞いてくる業者は、「成果から逆算して作る」業者です
もう1つ。何でも「できます、やりましょう」と即答する業者より、「それは今回やらない方がいいです」と言える業者の方が信頼できます。全部盛りのサイトは、たいてい何も伝わらないサイトになるからです。
打ち合わせで決める中身(誰に・何を・どう選ばれるか)について、もっと詳しくはこちらの記事に書いています。


打ち合わせの後に出てくる「見積もり」の見方はこちらを。


打ち合わせというより、雑談のつもりで来てください
まとめます。準備は「不満」「事業の説明」「参考サイト(あれば)」の3つだけ。あとは、あなたの仕事の思い出話を聞かせてもらえれば、こちらで言葉にします。
「まだ何も決まっていない」という状態のご相談、歓迎です。何が大事で、何を先に決めるべきか。一つずつ整理しながら進めるので、決まっていないことを気にする必要はありません。
ホームページの悩み、そのまま送ってください
「何が原因か分からない」という段階でも構いません。サイトのURLを添えてもらえれば、拝見して正直にお答えします。相談は無料、売り込みはしません。


