「ホームページを作りたいけど、補助金って使えるの?」
先に答えを言うと、使えます。ホームページ制作に使える国の補助金の代表が「小規模事業者持続化補助金」です。個人事業主や小さな会社の販路開拓を支援する制度で、ウェブサイト関連費が対象経費としてはっきり明記されています。
ただし、注意があります。2026年の第20回公募でルールが大きく変わりました。 ネットで検索して出てくる解説記事の多くは、まだ古いルールのまま書かれています。この記事では、第20回の新しいルールで、「いくら戻るのか」「何に気をつけるべきか」を、ホームページを作る側の制作者の目線で解説します。
持続化補助金とは(90秒で分かる版)
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓(新しいお客様を獲得する取り組み)をする時、その経費の一部を国が補助してくれる制度です。
- 対象:小規模事業者。目安として、商業・サービス業なら従業員5人以下、製造業などなら20人以下。個人事業主も対象です
- 補助率:対象経費の3分の2
- 上限:通常枠で50万円
- 対象経費:ウェブサイト関連費のほか、チラシなどの広報費、展示会出展費など
ここで、よく混同される「助成金」との違いを。助成金は、要件を満たせば原則もらえます。補助金は、審査があり、選ばれなければもらえません。 持続化補助金は後者です。「申請すればもらえるお金」ではなく、「計画を審査されて、採択されたらもらえるお金」です。
私自身、飲食店を経営していた時に、東京都の助成金(コロナ明けの空調・非接触化の支援)で200万円ほどの助成を受けた経験があります。あの時は「条件に合う機器を導入すれば受けられる」ものでした。補助金はそれとは違い、計画の中身で競争するものだと理解してください。
第20回で、ウェブサイト関連費のルールが変わった
ここが、この記事で一番伝えたいことです。
- 旧ルール(第19回まで):ウェブサイト関連費は「補助金申請額の4分の1まで(最大50万円)」
- 新ルール(第20回〜):4分の1ルールは廃止。ウェブサイト関連費は上限30万円(税込)の独立した上限に
検索上位の解説記事には、まだ旧ルールの「4分の1・最大50万円」のまま更新されていないものが複数あります。古い情報で資金計画を立てると狂うので、公募要領の最新版で確認してください。
なお、変わっていないルールもあります。ウェブサイト関連費「だけ」での申請はできません。 チラシや看板などの他の販路開拓の取り組みと組み合わせる必要があります。
実際、いくら戻るのか(例で計算)
具体例で電卓を叩きます。
たとえば「ホームページ制作30万円+チラシ制作・配布15万円」という販路開拓の計画を立てたとします。
- 経費の合計:45万円
- 補助率3分の2 → 補助額:30万円(通常枠の上限50万円の範囲内)
- ホームページ分の補助は 30万円 × 2/3 = 20万円で、ウェブサイト関連費の上限30万円の範囲内
つまりこの例では、45万円の取り組みに対して30万円が戻り、実質の自己負担は15万円になります。
ただし、大事な注意がひとつ。「戻り」です。 最初に45万円全額を自分で支払い、補助金は後から入金されます。ここを誤解している方がとても多いので、次の章で詳しく話します。
ちなみに、ホームページ制作費の30万円で実際に何ができるかは、こちらに正直に書いています。


もっと小さく始めたい方はこちらを。


落とし穴5つ(お金の誤解を含む)


制作者として、発注前に知っておいてほしいことです。
1. 「持ち出しゼロ」ではありません
補助率は3分の2。3分の1は自己負担です。「採択されればタダで作れる」と思っている方が結構いますが、違います。
2. お金は「後から」戻ってきます
補助金は後払いです。業者への支払いは先に全額、自分のお金で行います。入金は事業完了の報告後で、数ヶ月遅れることも普通です。その間のキャッシュフロー(手元資金)が必要です。
3. 採択されなければ、1円ももらえません
審査で落ちることは普通にあります。「補助金ありき」の資金計画で発注してしまうと、不採択だった時に全額自己負担になります。
4. 交付決定「前」の契約・支払いは、全額対象外
採択の連絡が来ても、まだ動いてはいけません。事務局から「交付決定」の通知が届く前に業者と契約したり支払ったりすると、その分は補助対象から外れます。フライングが一番もったいない失敗です。
5. 名刺代わりのサイトは通りにくい
この補助金の目的は「販路開拓」です。会社案内を載せただけのサイトは、審査で評価されません。「このサイトで、誰に、何を売り、どう売上を増やすのか」を語れる計画が必要です。
申請の流れとスケジュール
- 経営計画書・補助事業計画書を作る
- 地域の商工会議所(商工会)に相談し、「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらう
- 電子申請
- 採択発表 → 交付決定の通知を待つ
- ホームページ制作などの事業を実施(ここで初めて契約・支払い)
- 実績報告 → 補助金の入金
第20回のスケジュールは、申請受付が2026年11月5日〜12月15日。ただし様式4の発行依頼は、商工会議所ごとにもっと早い締切が設定されます。動くなら今からが現実的です。
申請書類の作成サポートは、商工会議所が無料でやってくれます。正直に言うと、申請手続きそのものの専門家は私ではなく彼らです。私が支えられるのは、その計画の中身、つまり「審査に通り、実際に売上につながるホームページの設計」の側です。
採択されやすいホームページ計画とは(制作者視点)
審査を通る計画書に書くべきことは、実は「良いホームページの条件」と同じです。
- 誰に来てほしいのか
- その人に何を売るのか
- なぜ他ではなくあなたから買うのか
- ホームページが、それをどう後押しするのか
これが書けていれば、審査員にも伝わるし、完成したサイトも集客できます。逆にこれが無いと、採択されても「きれいなだけのサイト」ができて終わります。この4つの決め方は、こちらの記事で詳しく書いています。


最後にひとつ、制作者としての本音を。
「補助金が取れそうだから」を出発点に、やることを決めるのは順番が逆です。事業の計画が先、補助金はそれを後押しする手段。ここが逆転した計画は、審査でも見抜かれますし、通ったとしても事業の役に立ちません。
補助金を前提にした制作の相談も受けています
「持続化補助金を使ってホームページを作りたい」というご相談、歓迎です。計画書に書ける販路開拓のストーリーづくりから、ウェブサイト関連費の上限30万円に収まる制作プランまで、一緒に組み立てられます。
スケジュールの都合上、申請の準備には時間がかかります。第20回を狙うなら、早めにどうぞ。
ホームページの悩み、そのまま送ってください
「何が原因か分からない」という段階でも構いません。サイトのURLを添えてもらえれば、拝見して正直にお答えします。相談は無料、売り込みはしません。



